徳島新聞社カルチャースクール『山歩きトレッキング』参加者レポート
 鈴 ケ 峰 ~ヤッコソウとオオシダを訪ねて~

今回は・・・
レポート/寺本さん,写真/マスター
ご協力ありがとうございました。

■日程: 11月10日(土)
■参加人数: 7名
■行程

ジョイン5:50⇒⇒6:20阿南公方の郷6:30⇒⇒牟岐7:30⇒⇒7:50宍喰道の駅8:15⇒⇒8:20鈴ケ峰登山口8:30・・・・8:50ヤッコソウ案内板9:10・・・・
9:20円通寺跡9:30・・・・9:45鈴ケ峰頂上【394.7m】10:00・・・・10:45登山口10:50⇒⇒11:20東洋町押野農村公園≪昼食≫12:00⇒⇒12:05春日神社
12:20・・・・名留川・樫地オオシダトレッキング・・・・12:50樫地谷リュウビンタイ生息地13:05・・・・13:40春日神社13:45⇒⇒14:20YUYU那佐≪温泉≫14:45
⇒⇒16:50公方の郷17:00⇒⇒17:40ジョイン

■レポート
今回、ツアーのお目当ては「ヤッコソウ」と「オオシダ」探訪。。。
宍喰 道の駅で今日一日ガイドをしてもらえるNさんと合流。 “Nさん”については、マスターからあらかじめ聞いていた。
「宍喰、東洋町周辺の植物のことなら、この人の右に出る者はいない!!!」と・・・・・。

Nさんの先導で、鈴ケ峰登山口へ・・・。 頂上まで1.9km・・・。
ストレッチをしながらも、Hさんは『ダニは大丈夫だろうか........?』と心配顔(・_・;)...........
Nさんが足を出して見せた。 「ギョッ!!!」と声が出るほど、無数にダニに咬まれた痕!!! 「ダニなんて、何てことないよ」と平気の平左のNさん。
“ 只者ではないナ ”
“ この人なら、面白いナマの話がいっぱい聞けそうだ ”
“ あの足が、その証だ ”

  

空身で出発。 杉林に囲まれた参道.....、脇には四国霊場八十八ケ所の石地蔵尊が随所に祀られている。
500mほど坂道を歩いた頃から、幹にコブのある「タブノキ」や「スダジイ」など、照葉樹林の大木が見られるようになった。
タブノキ: 〔椨〕くすのき科の常緑喬木 暖地に自生 高さは15m余りに達する
スダジイ: 〔すだ椎〕ぶな科の常緑喬木 暖地に自生 高さ約20m


長さ20cmもある「マツカサ」が落ちている。 見上げると、まっすぐ幹を伸ばした「ダイオウショウ」。
ダイオウショウ: 〔大王松〕まつ科の大木 北米東部原産 高さ約30m

道端には、「ミズスギ」「ウラジロ」など。。。
ミズスギ: 〔水杉〕ひかげのかずら科の多年性常緑シダ 暖地の湿地に生え、高さ30cm内外
ウラジロ: 〔裏白〕うらじろ科の羊歯植物 分岐して二又となる 葉は正月の飾りに用いる


石段の下で、「ヤッコソウ」発見!!! これが「ヤッコソウ」かぁ・・・・・。
姿は、乳白色で奴(やっこ)人形みたい。 小指ほどの大きさ、大名行列の奴(やっこ)のように並んで生えている。 「ヤッコソウ」の案内板も設置されている。
ヤッコソウ: 〔奴草〕シイの根にきのこ状に群生するやっこそう科の一年生の寄生植物
         国内では、他に高知・鹿児島・沖縄にしかない珍しい植物
         蜜を求めて、アリやハチ、メジロなども集まる
         この辺りが世界最北限の自生地で国指定天然記念物として保護されている

 

ヤッコソウを見つけるコツも分かってきた。
まず、「スダジイ」を探し、その根をたどっていく。 茸狩りをしているようで楽しい(^-^)。。。 結構たくさん生えている。
みんな童心にかえって、「ここにもあった!!」 「あっちにもあった!!」とはしゃいでいた。

円通寺跡へ・・・・・。 まったくの廃寺。 錆びて捨て置かれた五右衛門風呂の横に、サンショウ〔山椒〕がひっそりと立っていた。

鈴ケ峰山頂【394.7m】 三等三角点
ポカポカ陽気の中で、水床湾と宍喰の町並みを一望することができた。 照り返す太陽で、太平洋がキラキラと眩しい☆☆.......
帰り道、「シュンラン」を見つけた。
シュンラン: 〔春蘭〕らん科の多年性草木

ピストンで下山し、車で東洋町へ移動。 押野農村公園(水道・トイレの設備もある広々とした公園)で昼食。
マスターがキムチ鍋、デザート、コーヒーと椀飯振る舞いしてくれた。 みんなでワイワイ言いながら食べる食事はおいしい!! ごちそうさまでした。

名留川 春日神社へ・・・。 奈良の春日神社の流れを汲んでいるとか・・・。
参道の奥に二本の杉の大木。 「千年杉」と命名されている。
流鏑馬(やぶさめ)が行われたのだろう。 馬場に蹄の跡が残っていた。
神域は、杉以外にも「イチイ」「クスノキ」などの大木で囲まれ、鬱蒼としている。
イチイ: 〔石櫧〕「いちいがし」の略 ぶな科の常緑喬木 暖地産で高さ30mに達する 実は大型で食用となる
クスノキ: 〔樟、楠〕くすのき科の常緑喬木 我が国に産する樹木中、最大のもの 高さ30m以上に達する 樟脳を製するに用いる

   

社殿は、緻密な彫刻が施され、赤・黄・青・緑など極彩色に塗られていた。 昔のものが代々受け継がれてきたのは、この村が豊かであったことを物語っている。
Nさんが珍しい植物を紹介してくれた。 「ビロードムラサキ」葉の裏がちょうどビロードの手触り・・・・・。
ビロードムラサキ: 〔ビロード紫〕紫式部属で、この辺りが北限とのこと

徒歩で名留川、樫地の集落を通り、樫地谷へ向かう。 どの家も重厚な時代を感じさせる佇まいであった。
庭には、千両、万両、エンゼルトランペット、山茶花(サザンカ)、柿の木に寄生した瓔珞蘭(ヨウラクラン)...........。 畑には、柚子(ゆず)、文旦、らっきょうの花........。
人家がとぎれ、ゆるやかな上り坂の林道となる。 
右側は石組された田んぼの跡地。 杉が植林されている。 先人たちが営々と切り開いてきた田んぼなのに!! 悲しくなる風景だ。。。

「ナチシダ五葉型」「ウラジロ」「クラマゴケ」などが見られる陰地に入ってきた。
ナチシダ五葉型: 〔那智羊歯五葉型〕5弁の葉がある羊歯 和歌山県の県花
クラマゴケ: 〔鞍馬苔〕いわひば科の多年性常緑羊歯 山林の陰地に生ずる


林道をそれて、「クラマゴケ」がびっしり生えた谷川を辿っていくと、オオシダ「リュウビンタイ」が一面群生している凹地に出た。 巨大なシダが谷を埋めている。
リュウビンタイ: 〔龍鬢帯〕りゅうびんたい科の常緑羊歯 我が国南部に自生 この地が北限
           葉は長さ1~2mの羽状複葉で柔らかく、特殊な子嚢をつける

  

太古の昔にタイムスリップしたみたい。。。 一人っきりで立っていたら、恐竜にでも襲われそうな感じ。。。
Nさんの話では、杉林で囲まれた谷は周囲より温度が高く保たれ、適当な湿度とか、育つ条件がいくつかあいまって、この地に自生したのだろう・・・とのこと。

それにしても、Nさんはよく知っている。 どこに何があるか、自分の足でコツコツ調べたのだろう・・・。 改めて感心した。
Nさん、今日一日いろいろ教えていただき、ありがとうございましたm(_ _)m....... おかげで珍しい植物や農村の佇まいなど見ることができました。
植物の生きる力の凄さ、逞しさ、したたかさを感じとることができました。
さらに、人間は自然と共生していかねばならない.....、人間のエゴで自然を破壊してはならない.....とも感じました。
今日一日で、12000歩も歩きました。 みなさま、お疲れさまでした!!